大正時代 二代目・伊三郎

村上開明堂・二代目・伊三郎

江戸時代から七間町には注目される店が数多くあった。
明治に入ってから他の町から移転してきた店もある。
七間町に店を出したいという願いは、古くから創業者たちに強くあったのだ。

写真は村上開明堂の二代目・伊三郎である。
明治二十六年、二代目伊三郎を襲名。
たびたびの横浜訪問が開明堂に製造業進出へのチャンスをもたらす。鏡台用鏡の生産であり、昭和の戦後になってバックミラーの製造へとつながる。
また、明治末期に静岡御用邸の新築落成にあたり出入り職人五十名ばかりで御用邸特別消防組を作り、伊三郎は特別に加入、組頭となるなど気骨の優れた人物であった。
昭和十四年没。享年七十七歳。
右写真は妻、千代。

村上開明堂は東証二部上場の静岡の企業である。

カンテラの制作から歩み始めた村上開明堂は時代の変化に素早く対応し、現在は、ミラーシステム、オプトロニクス、建材など幅広い分野でグローバルに事業展開を続けている。