田中屋の火事

田中屋火事

昭和7年12月2日の午前2時、静岡市呉服町三丁目の田中屋百貨店仕入部階上の店員宿舎から出火する。
宿舎と4階建て本館が炎上、さらに近隣の遠州銀行支店、立見屋呉服店、魚安旅館、吉見書店を全焼して午前6時30分に鎮火した。
出火時、田中屋百貨店の宿舎に店員50人が寝泊りしていた。
火事に気付き、2階、3階から飛び降りて避難したため、16人が負傷し男性店員2人が死亡した。
田中屋百貨店は昭和6年末に開店したばかりで、火事は歳末大売出し2日目の事だった。

田中屋百貨店は火災の後再建され昭和にはいり田中屋伊勢丹に屋号が変る。
その後、静岡伊勢丹となり現在に至る。
この火災の当時、田中屋百貨店は現在の伊勢丹の北側部分、約二分の一程の店舗であった。
現在の伊勢丹の正面玄関を含む七間町側は、上記の延焼した店舗等ががいくつもあった。
すなわち、現在の七間町札之辻ブロック北側一帯の火災であった。

写真は焼け落ちたばかりの田中屋の様子である。

昭和7年12月撮影。