オンパレード

12月22日より歌舞伎座において静岡カフェ女給オンパレードが開かれ、各自得意のダンス、独唱、ナンセンス物があり濃艶なる野次飛び喝采を博している。
(写真原文通り)

歌舞伎座で静岡のカフェーの女給達が出演する、現在で言うイベントショーが行なわれた。
写真は和服姿で蝶のように舞う女給の一人である。

カフェーの女給と聞くと現代の人は店で働くウェイトレスを想像するであろう。しかし戦前のカフェは喫茶店というよりは、むしろスナックや風俗店に近い存在だった。
永井荷風の「つゆのあとさき」、谷崎潤一郎の「痴人の愛」など多くの昭和初期の文芸作品にカフェーの女給が登場し、太宰治の最初の心中相手はカフェーの女給であった。太宰治は昭和5年、鎌倉の海に身を投げカフェーの女給は溺死し太宰だけが助かったのである。
当時のカフェーの女給は現代で言うホステスであり、従って客も女給相手に店に通い多くのチップをはずむ客も多かった。

昭和初期の撮影。