鈴蘭灯

静岡市七間町に鈴蘭灯

静岡市七間町通りを本県が試験道路として目下アスファルト工事中であるが、何と言っても七間町通りは静岡市切っての目抜き場所だけに各商人も相当設備をして街の美観を保たねばならぬので、札の辻から七間町三丁目ではアスファルト道路と相まって鈴蘭電燈を計画し、七月二日までに一切の取付を済まして二日夜から点火した。これがため七間町通りの夜は美観を呈し不夜城と化した。
鈴蘭電燈は一本の鉄柱に百燭一個、五十燭四個が点火され、一本の費用が約百円で四ヶ町百六本の建設を見たから経費は実に一万六百円に上っている。

(民友 昭和3年7月4日 夕刊)


昭和初期の札之辻の写真。
昭和3年に路面をアスファルト化、街路灯の「鈴蘭灯」を設置。七間町は夜遅くまで賑わう街に変貌した。
鈴蘭灯は当時の費用で一台当たり約100円、七間町四ヶ町で106本を設置、総額10600円。現代の貨幣価値に換算すると約5300万円の事業であった。