七間町の子供と、その友達と雛祭り。雛人形を背景に子供たちの記念撮影。
雛人形は東京台東区の浅草橋に販売店が軒を連ねるのが有名であるが、静岡市が雛人形の産地であることはあまり知られていない。静岡が雛具の全国的な産地として地位を築いたのは大正12年以降である。大正12年の関東大震災により罹災した東京の職人が静岡へ移り住み、その後、雛具業界は大活況を呈した。静岡は元々、木工芸品製造の伝統的な下地があり、これが雛具の生産に大きく貢献した。又、雛人形は江戸時代に志太郡の一部で天神様が作られていたが静岡市で雛人形が本格的に作られたのは昭和の初め頃である。昭和初期に人形師を他県から招き、技術を導入し本格的な生産が始まった。発展を遂げてきた静岡の雛具、雛人形は、増大する需要に対応して昭和30年代後半からプラスチック製のものが出現し量産化が進んだ。しかし、最近では再び木製の良さが見直され、静岡の指物、漆器、蒔絵などの伝統技術をいかした商品が作られ、全国でも有数の産地となっている。現代は、国の伝統的工芸品に指定されている。
昭和40年代の撮影。