エビスヤ前

  • 昭和36年の元旦、北陸大雪で列車が止まり15万人が車中年越しとなる。
  • 2月、「風流夢譚」掲載で中央公論社社長宅が襲われる。嶋中事件とも呼ばれるこの事件で社長宅の家政婦が殺される。右翼の犯行であった。
  • 3月、日光東照宮薬師堂が全焼。
  • 同月、名張毒ぶどう酒事件が発生。三重県名張市葛尾地区の総会で女性に出されたワインに農薬が混入。5名が死亡した。
  • 4月、ソ連のガガーリンが地球一周有人宇宙飛行に成功。
  • 6月、新東宝映画が制作中止。同月、日本列島を集中豪雨が襲う。死者は357名にのぼった。
  • 8月、初の釜ヶ崎暴動、日雇い労働者がタクシーに轢かれた事故処理から発生した初の西成の暴動である。
  • 同月、東西ベルリンが封鎖される。東独がベルリンの壁の建設を開始。
  • 9月、ソ連が核実験を再開。アメリカも再開する。室戸台風により死者が202名に上る。
  • 同月、大鵬、柏戸が横綱に昇格。
  • 11月、英アレクサンドラ王女が来日。
  • 12月、国史会事件が発覚。旧日本軍の将校が画策したクーデター未遂事件であった。

日本は昭和39年に東京オリンピックの開催やベトナム戦争などによる特需があり、昭和43年には国民総生産(GNP)が資本主義国家の中で第2位に達した。この経済成長は世界的に見ても稀な例であり、終戦直後の復興から続く一連の経済成長は「東洋の奇跡」と言われた。

エビスヤ前から駒形通りに向けて写した一枚であるが、そんな経済の成長を感じる風景でもある。地球ネオンはまだまだ元気である。自動車の姿はあまり見かけない。地球ネオンの下に静岡競輪の9月開催日の広告が見える。昭和36年、晩夏の撮影。