ミラノ座

アートシアター・ミラノは昭和三十六年の十二月二十九日「銀座劇場」の跡に開館した。「静活有楽会館」がビルの名称である。映画館としては日活映画封切の「静岡日活」と洋画封切の「アートシアター・ミラノ」の二館が入っていた。「ミラノ」のオープニングには「風と共に去りぬ」が選ばれた。「ミラノ」は建物の四、五階にあり、特別なコンセプトを持って営業された。館名にアートシアターとあるのも芸術・文化の一翼を担うというメッセージがこめられていた。二階特別席の設置、ロビーはシックなデザインで統一されコーヒーのスタンドバーも用意されていた。映画文化をゆっくりと鑑賞し、語らってほしい、というのが劇場のコンセプトだった。昭和初期に存在した「立花館」の跡地に1961年12月「静岡日活劇場」「銀座劇場」としてオープン。1965年、日活劇場を分割し「静岡カブキ座」「日活並木座」に、銀座劇場を「静岡ミラノ」に改称。1988年に写真の「静岡ミラノ1・2・3」となる。2011年10月、静活のセノバ移転に伴い惜しまれながら閉館した。