七間町のシンボル、待ち合わせ場所に、パレードを祝福するアーチとして活躍する。国鉄静岡駅前に静岡の玄関としてふさわしい富士山をかたどったネオンができた。それは、長いこと暗い時代を過ごしてきた市民に明るい希望を持たせるものだった。それに刺激されて、七間町に店を構えていた村上開明堂の村上伊三郎氏は「我々七間町にも駅前に負けないようなものを作ろうじゃないか」と町内の店の主人たちに呼び掛けたのだった。
昭和二十八年九月三十日、市民が注目する中、総工費二五〇万円をかけた地球ネオンが完成した。七間町一丁目班二十四名が協力会員として加わってできたものだ。竣工式では、押し寄せた市民が見守る中、会員のエビスヤの理子ちゃんがくす玉を開き、完成を祝った。それから十四年、七間町のシンボルとして、さまざまなパレードを迎え、絵になる光景が市民を喜ばせたのだった。その後、再びこのような構造物の建設は許されないこととなり、老朽化した地球ネオンは惜しまれながら取り壊された。
昭和28年、地球ネオン竣工。遠方の三角屋根の建物は静岡県庁旧庁舎、その左手の塔がある建物は旧警察署。通りの左側の建物に大東京火災の看板が見える。現在のカーサの地点である。
下の写真は地球ネオン完成記念の売り出し新聞広告。昭和28年9月、静岡新聞に掲載。地球ネオン完成に貢献した七間町発展会の店名が記されている。