街頭写真屋

昭和二十三年、当時街頭写真屋が町の角で道行く人を写していた。記念にその写真を買いたい人に売る商いだ。まだ写真機が一般には手に入らなかったために流行り、姉もたまたま通りを歩いているとき写真を撮られたので買い入れた。(写真原文通り)

終戦後はフィルム不足でカメラもなく、まだまだ写真どころではなかった。生活に余裕がなく、衣食住が先であった。人通りの多い街頭で通行人をスナップして、注文をもらい商いをした街頭写真屋さんが現れた。映画用フィルムを使用、ライカ判ハーフサイズだった。「失礼しました。貴方のお姿を写しました。記念にぜひご注文ください。このカードにお名前とお所を書いてください」。三日ぐらいで送られてきた。十枚写して一枚注文があれば、けっこう商いになるとのこと。だがこの商売もフィルムが出回ると、いつの間にか姿が消えてしまった。

写真は共に街頭写真屋による撮影。終戦直後の昭和21年から昭和23年当時の七間町の風景である。