静岡大火2

静岡大火
昭和十五年一月十五日

昭和十五年一月十五日、西北の風がひどく、砂ぼこりを上げていた。静岡市中は小正月で人出が多かった。午後零時八分、正午のサイレンが鳴ってまもなく、丁度市民は昼食時である。
市の北西、新富町一丁目二十八番付近から出火した。此時風速十六米の烈風で近くの三番町小学校木造二階建ての二階四学年生の教室に飛び火し、一時五十分頃には、八百米隔てた西門町付近へも飛び火し、これ又、忽ち周辺へ燃え広がり、更に、鉄道線路を越した稲川町二丁目へ飛び火し、又、七間町二丁目付近へ、下石町二丁目付近へ、下魚町へ、火は風の方向に従って市の東南部へ燃え拡がり、市中央部繁華街はほとんど火の海となった。
発火から延焼実に十五時間、町数八十八カ町、死亡者二、負傷は千名に及んだ。

鎮火直後の七間町、街は瓦礫と化した。
鈴蘭灯も無残に焼け落ちた。