国民服

日中戦争から太平洋戦争へと戦渦は進む。
昭和16年東條首相が戦陣訓発布したこの年4月には日ソ中立条約が調印された。
欧州ではドイツナチス党のヘス副総理がイギリスに単機飛来、逮捕された年でもある。
その後独ソ戦が始まり7月には日本軍が南部仏印に進駐する。
これを受けアメリカは対日石油輸出禁止を発令しアメリカ、イギリスが大西洋憲章を結ぶ。
同年9月、近衛首相が退陣し10月には東條英機内閣(陸軍)成立。
同年12月、日本はハワイ真珠湾を攻撃、対米英戦争が始まる。

国民服とは、昭和15年に公布された「国民服令」によって定められた日本国民男子の標準服である。
戦時の物資統制令下における国民の衣生活の合理化、簡素化を目的として陸軍省の主導によって制定された。
型は軍服に似た五つボタンに国防色の上下揃いで、帽子、外套、手袋、脚絆、靴に至るまで素材や色目が細かく定められていた。

写真は国民服を纏った七間町、杉山金物店の主人である。

昭和16年撮影。