遷座祭 村上開明堂

遷座祭

昭和十一年十一月、新部、浅間神社、大歳御宮の大修理が終わり、八千戈神社から御神霊を移す儀式「遷座祭」が行なわれた。七間町からも社参行事に参加している。

現在の社殿は、既記の如く文化以来の造営になるもので其間星霜百数十年を経過し、建物にも腐朽せる箇所があり、金碧燦爛たりし美観も甚だしく汚損したので、敬神の念厚き市民有志に暫く御修理の議高まり、昭和二年浅間神社奉賛会を組織して市民一般より十ヶ年間に四十万円を拠出し大修営に着手した。内務省神社局が神殿石垣の調査にあたり、昭和四年以来大修理の工事を内務省直営によって行なわれることとなり、その年四月以来国費ならびに奉賛会寄付の修営費を投ずること六十余万円、歳月を要する八ヶ年の永きをもって昭和十一年十一月に至りようやく神部、浅間、大歳御宮の各社殿及び大拝殿、楼門回廊等の修理全く終わりを告げ、壮観美麗旧に復するに至ったので、同年十一月二十日をもって神部浅間の両社を、二十一日には大歳御宮の御心霊をそれぞれ八ヶ年の仮殿たりし八千戈神社より厳かに御遷宮の御儀が深夜の闇を縫って古式により行なわれた。

静岡新報社「浅間神社遷座祭写真帖」より

写真は遷座祭より、村上伊三郎氏と次女フミ子氏である。
写真帖には各参加者の店舗の紹介もあり、下の写真が七間町、村上開明堂の店舗外観である。

昭和11年撮影。