最後のストーム

仰秀祭

仰秀祭は旧制静岡高等学校の学園祭である。

旧制静岡高等学校は現在の県立静岡高等学校とは異なる学校である。混同しないよう注意が必要である。
大正11年文科・理科よりなる修業年限3年の高等科が設置された。
仏語を第一外国語とする丙類が置かれた旧制高校である。
ほぼ完全な寮自治が行われ、生協に倣って早くから自炊制度が導入された。
入学者は静岡県出身者が最も多く、東京府出身者がこれに次いだ。東京帝大への進学率は一高・浦高に次ぐ第3位を占めた。
寄宿舎として「秀峰富士を仰ぐ」という意の「仰秀寮」が設置された。
新制静岡大学の前身校の一つであり、文理学部の構成母体となった。
昭和24年、新生大学発足のため包括され翌昭和25年、廃校となった。

写真は、旧制静岡高等学校の学生による最後のストームである。
ストーム とは英語で嵐や暴風といった意味だが、転じて、戦前日本の旧制高等学校や大学予科、旧制専門学校などの学生寮において学生が集団で行う蛮行のこと。
学内の学生寮等で繰り返してきた蛮行の仕上げに、静岡市中に出て、勇んで行進する学生達である。
写真では集団で七間町通りを行進しながら竹刀を振り回している様子も見える。

昭和15年11月11日撮影。